老夫婦が営む平岸の隠れ家的お店 ~ 「和可奈鮨」

札幌

いろんなお店を食べ歩きたいけど、日曜日のランチの場合はちょっと店選びが難しい。人気店は開店時間前にはもう行列ができていたり、チェーン店もやっぱり皆さん家族で食べに出掛けるのか混んでいたりする。そんなときは少し変わった店とかマイナーな店とか、ややお高い店だとすんなり入れることが多いので、日曜の朝はお風呂に入りながらそんな基準でどこへ行こうか考えてたりする。これがなかなか探すのに時間がかかってしまうので、さっさと決めないとのぼせてしまうのが悩みどころだ。

住宅街に佇むお寿司屋さん

今回はちょい高級だけどマイナーっぽいお寿司やさんを探してみた。すると、家からは遠いけどいい感じのお店が見つかったのでそこに決めた。ということで「和可奈鮨」さんへ向かって出発。駐車場があるようなので車で行く。

開店時間の五分前に到着。場所は地下鉄南平岸駅から澄川方面へ少し行ったところの住宅地。大きな通りからは外れているので、通りがかりに見つけてふらっと入るということが無い店だろう。店前に車を停めて待っていると、お店の大将らしき方が暖簾を掛けに出てきたので挨拶。ちょっと早いけどもう入ってもいいよとのことなので、お邪魔致します。

カウンターに座るとなんとなく思い浮かんだのが、“長い年月を経た近所のお寿司屋さん”というイメージ。初めて入ったお店なのに親しみやすいような、でも刻んできたであろう歴史に敬意を払わずにいられないような、そんな印象。見るからにあちこち古びてはいるけれど、全然それが不快に感じない。開店直後だからなのか明かりも暗めで、暖房が入っているのに外の気温より低めなのがまた異空間に入ったかのような感覚だ。

ランチタイムは1200円で握りのセットのようだ。苦手だからエビが入るなら抜いて欲しいとお茶を出してくれた奥さんにお願いすると、お歳のせいかやや耳が遠いようで意味が伝わるまで少々掛かってしまったが、これはまぁご愛敬(笑)。対象の方も握りがややゆっくりめなようなので、お茶を飲んでテレビを見ながらのんびり待つことにする。僕も暇人だし、せっかくなのでこの穏やかな時間を楽しもう。

ランチセット

まずはガリとお吸い物が来る。お吸い物の中には白身魚が入っていて、味は薄めだけどしっかり出汁が効いていて美味しい。

そして握りは9貫。ネタの上にちょっとご飯粒が付いてて思わずニッコリ。これもご愛敬(笑)。でも味の方は抜群に良い。向かって右側から薙ぎ払うように食べていったが、ホタテは身が厚くて甘く、貝もイカも口の中でとろけるよう。隠し包丁が入っているのかな。マグロもただの赤身じゃない。他の店で同じレベルのものを頼んだらとてもこの値段じゃ提供されることはないだろうというくらいのネタだ。これは良い店に出会えた。

茶碗蒸しは出来立てでかっちり固まっていないタイプ。濃いめの卵スープという感じだけど、もしかしたらエビを抜いて最初から作ってくれたのかな?確認しなかったけど、そうだとしたらなんて心のこもったおもてなしだろう。

なんとなく最近寿司を食べることが多いけど、それに伴いちょっとマイブームになっているのが各お店の〆鯖食べ比べ。これがそれぞれこだわりがあったりして面白いのだ。お店によって熟成の時間に違いがあって、そのあたりが判るようになると寿司の世界の深みにどんどんハマっていく。

そういうわけでセットに無かった〆鯖を一貫注文。こちらのお店のは熟成期間が短めなのか、一般的なしっとりしたものではなくプリッとした食感。それがかえって新鮮な味わいで面白い、そしてもちろん美味い。

大将と今時期の魚は何が美味しいのかとか色々とお喋りもさせてもらいながら、贅沢な時間を過ごさせてもらいました。本当に良いお店で、なぜ客が終始自分一人だけだったのかが理解できない。近いうちに絶対また再訪しよう。

店舗情報

営業時間 12:00~15:00

定休日 水曜日